計劃計画覚書

書け、と言われたので書いている。
書けと言われなかったら書かなかったのか、と言われるとまぁそんなことはないだろうけれど、きっと書くのは遅くなっただろうし質だってそうも変わるまい。


何を書くのだと言えば、伊藤計劃の話である。またしてもそうなのだ。少ない全体に対してどれぐらいを占めているのだろうか甚だ疑問である。


さておき。


ここ数週間ほど、伊藤計劃について考えていることがひとつだけある。彼の未完の長編についてである。伊藤計劃記録に冒頭12ページだけ収録されているその作品はその題名を「屍者の帝国」という。


もちろん、未完の作品の完結を願うことは正気の沙汰ではない。しかしながら、読者ならば分かるだろう。「虐殺器官」と「ハーモニー」に続く、伊藤計劃のオリジナル長編に思案を巡らす気持ちが。一体、僕たちに何を見せつける計画だったのかと、その12ページを何度も読み返す気持ちが。


という訳で、僕が考えているのは未完の作品の、その結末なのである。それは冒涜であるだろうか。


しかし幸いにして、この物語がフランケンをモチーフにしていることは判明している。フランケンと言えば、屍体を継ぎ接ぎにして作られた怪物であり、狂気の賜物である。僕が文章を継ぎ接ぎして、未完の作品をエミュレーションするのもフランケンみたいなものだと言えるだろう。今まで考えてきたのはそんなところだ。


となれば、必要なのは、何をおいてもまず、屍体ではなく文章だ。であるなら、どの墓を暴けば良いのか。以下に列挙しよう。

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

伊藤計劃記録

伊藤計劃記録

http://web.archive.org/web/20070208234810/http://www33.ocn.ne.jp/~projectitoh/index2.html
http://www.sf-fantasy.com/magazine/interview/071101.shtml
伊藤計劃記録:第弐位相

伊藤計劃記録:第弐位相

http://d.hatena.ne.jp/Projectitoh/


項目ごとに時系列で並べるところまでいきたかったのだが、それではいつになるのか分からなかった。また、見つけ次第増やしていくつもりではあるが、今はここまでに留める。


次の更新では「虐殺器官」から「ハーモニー」への流れを整理する予定でいるが、どこまでやる気が続くのかは怪しいのもので、屍体いじりを途中で投げ出したココが惨殺現場の様相を呈するというのもなかなかあり得る話である。